筋電図波形の観察は、打鍵中の筋活動(MA)を可視化させる。本研究の目的は、ピアノのオクターブ打鍵のMAを視覚的バイオフィードバック(BF)により低減させることを目的にした。実験参加者は、ピアノ専攻学部生と大学院生16名であった。彼らは、右手によるフォルティシモの強さのオクターブ打鍵を行った。最大音圧以前を打鍵前中とし、それ以降を打鍵後として各250ms区間の積分EMGをデータとした。BFは、EMGを観察させながら意識して筋活動を低下させる努力をさせた。短母子外転筋のみにBFの効果が認められた。打鍵後の腕部の全筋群のMAが低下した事は、障害予防の為と考えられる。
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