研究課題/領域番号 |
26580031
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
越田 乃梨子 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (70711901)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 映像メディア / 身体 |
研究実績の概要 |
本年度は、身体性から生じるリアリティを獲得するための視覚体験装置の開発を行い、それを映像インスタレーション作品として展示発表を行った。2台のプロジェクターとビデオカメラを用いて鑑賞者が自分自身の身体を持ちながらリアリティのある映像空間を体験できるシステムを作った。 このシステムでは、あらかじめ別の場所で撮影された映像と、それと同じアングルで展示会場に設置されたカメラによるリアルタイム映像とを、それぞれのプロジェクターにつなぎ、同じ壁面に重なる様に出力した。それらふたつの映像は、同じカメラアングルで撮影されているため、ひとつの空間を共有しながら一枚の像となる。このシステムによって、鑑賞者は自然に映像の中に身体を置き、映像の中の空間を体験することができる。鑑賞者は、映像の中の出演者たちの身体、自分自身の身体、そしてそれを見ている現実の自分自身の身体という、いく層ものリアリティを同時に体験することになる。 本年度はこの映像インスタレーション作品を制作し、東京のギャラリーにて1ヶ月の展示発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初計画していた身体性から生じるリアリティを獲得するための視覚体験装置を開発し、それを映像インスタレーション作品として東京のギャラリーで展示発表をすることができたので、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
来年度も引き続き、身体性を強化した映像表現の追求を引き続き行う。今年度に制作したシステムをふまえ、新たに身体性から生じるリアリティを体験できる視覚体験装置の開発を行うと共に、さらに制作プロセスにフォーカスし、デジタル技術を利用した新しい演出方法の開発も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として、当初予定していた高機能の撮影機材の購入に至らなかったことが挙げられる。これは本年度の実験と撮影では、まだそれらの機材を投じるタイミングではないと判断したためである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は本年度の実験をもとに、より用途に合った機材を再考し、高性能の撮影機材の購入を行うことで、さらに円滑に実験、制作が出来る環境を整えたい。
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