戦中戦後の日本国内におけるサークル運動研究に関する総括を行うとともに、在外日本人たちが主体となって展開された外地における民衆芸術運動の実態について調査と分析を行い、両者がどのように関連づけられるかについて考察を進めた。外地の運動については、戦時下米国の強制収容所で刊行されていた『ハートマウンテン文芸』等の雑誌、1950年代初頭に中国東北部地方の炭砿地域で刊行されていた雑誌『ツルオカ』を発掘調査することによって調査を進めた。以上の調査分析によって、戦中戦後をまたぐ民衆芸術運動の歴史的再定位を行うことが出来た。
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