研究課題/領域番号 |
26580037
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Japanese doctors / Medical English / Medical Conferences / ESP / Asian English / Presentation skills / Strategic competence / Speech strategies |
研究実績の概要 |
現在の科研費プログラムにおける、初年度の最も大きな功績は和書「学会発表のためのサバイバル英語術」の出版、販売、周知である。メジカルビュー社から出版されたこの本は、日本の医師が国際医学学会において効果的なパフォーマンスを行うための項目を詳細に記したものである。これらの内容とデータは、実際の国際医学学会における調査に基づいており、現在の科研費と以前の科研費研究の一部である。
また、この本の内容は、その後日本の医師に対し行われたワークショップの基礎ともなっている。昨年度は三回に渡り、ワークショップ/プレゼンテーションを行った。これらのワークショップにおいては、国際学会において英語プレゼンテーションを行う際の、上達のための指導とアドバイスを参加した医師にレクチャーした。研究により得られたデータに基づき、二つの査読あり論文を発表した.
医学学会における英語発表に関連する情報を収集する目的でWorld Ophthalmology Congressに出席した。こちらで施行された研究における成果は、その後開催されたいくつかの学会におけるプレゼンテーションにおいて発表された。そのうちの一つは日本医学英語教育学会から‘Best Presentation’賞を受賞した。これら全てのプレゼンテーション・ワークショップは医学英語における教員の訓練に焦点を当てており、国際医学学会における自身の研究に基づいている。他のプレゼンテーションやワークショップも類似のテーマに基づくが、科研費以外の研究費での発表はVietnam, Thailand、Malaysia、Nepal、Philippines、Indonesiaなどの国々で行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
進展状況/報告:研究に基づいた出版やプレゼンテーション等、ほとんどの研究目標は計画通り達成した。しかし、日本におけるワークショップ開催は当初目標していたほど活動はできなかった。昨年はこのようなワークショップを三箇所において開催したが、今年度の開催におけるレスポンスは今ひとつである。これらを踏まえ、ワークショップの促進により注力する必要があり、Japan Association of Medical English Education (JASMEE)、学生機構、特定の医療機関、宮崎大学における教授の方々、研究者、医療者として勤務している卒業生との交友を活用することが考えられる。 また、より興味を引く広告・周知運動が必要だと考えられる。他アジア諸国における医学英語の教育者と育んだ交友は、医学英語の教育とパフォーマンスにおいて類似の境遇にあることも踏まえ、建設的な獲得であると言える。特に、医学英語の若い教育者を訓練する機会は大変実りがあった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度にあたり優先させることは、日本全国にわたる、医師のためのプレゼンテーション技術ワークショップの推進と開催である。このためにはより広い認知と、現在自身が持つ交友の活用が必要となる。こちらを踏まえ、英会話が可能である医学生を、英和訳・周知用資料の制作と準備・医療関係の連絡を取り持つために、アシスタントとして雇うことが必要となる。今年度の目標は、ワークショップを三度に渡り開催することである。現在、研究に関連した二つの論文が査読中であり、少なくとも一つの、可能であれば国内に一つ国際的に一つ、計二つの査読論文を出版する計画である。 また、メジカルビュー社から、自身の研究に基づいた医師のための会話表現集についての出版要請を受け、およそ一年以内の出版が目標である。このためにも、国際的な医学学会へさらに出席し、データを得ることが必要である。シンガポールのSpringer Booksも、自身の医学英語会議に対する研究の要約を出版することに興味を示しており、こちらの申し出を承諾するかどうかは未定である。ベトナムのHaiphong Univ. of Medicine and Pharmacyとは、医師と教育者への医学英語の訓練も含め今以上にの交友の輪を広げることを目標としている。 加えて、関連する学会へ出席することで交友を広げ新しいネットワークをつくり、他東南アジア諸国における医学英語の教育とワークショップを宣布する考えである。 最後に、国際医学学会に初めて出席する宮崎大学の医師と、未来のEMPクラスが活用できる明快な手引書を制作するために、今までの多くの資料を統合する予定である。
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