本研究は岩絵の具の安定供給、安全性を考慮に入れ、画家にとっての表現手法の拡大を目指し、スラグや産業マテリアルを岩絵の具へ応用したものである。内容は産業マテリアルとスラグの試料収集、試料と既存の岩絵の具の成分分析、ペーハーテスト、比重検査、粒度範囲および顕微鏡による粒状性調査、1年間を通しての被曝テストなどであった。また日本画専攻の学生、教員に協力してもらい、使用感のアンケート調査をおこなった。 その結果、提供した試料の内いくつかは、十分に岩絵具としての実用に耐えるものであったと確信できた。さらに実用の可能性の認知のため、それらの試料を使った絵画作品の展示発表をおこなった。
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