研究課題/領域番号 |
26580043
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研究機関 | 京都造形芸術大学 |
研究代表者 |
牛田 あや美 京都造形芸術大学, 芸術学部, 准教授 (00468729)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 芸術表現 / 大衆芸術 / 漫画史 / メディア |
研究実績の概要 |
夏・冬・春の授業のない期間、さらに土日を活用し、国会図書館、国際こども図書館、昭和館、演劇博物館などで資料を収集した。特に戦前の子ども向けの代表的雑誌である『少年倶楽部』『少女倶楽部』『幼年倶楽部』を中心に収集していった。また、大学の図書館において、昭和5,6,7,8年度の『復刻愛蔵版 少年倶楽部』を購入していただいた。復刻版でも大変価値ある資料である。これらの資料をもとに、「マンガ史」の授業を行っている。戦争に起点をおき、マンガ作品や作家たちのことを話している。資料がほとんどない状態であったが、原書と同じ形をした復刻版やカラーの複写資料を活用することにより、学生たちが興味を示していた。また復刻版では付録のいくつかも再現されており、実際付録などを手にしてみると今では考えられないものが多く、復刻版であっても現物を学生の前に提示することの大事さを学んだ。現在とのマンガの差異に学生たちの驚嘆ぶりに、驚いていた。また授業においてこれらの研究を講義したことにより、2014年度卒業の学生が、戦前のマンガについて卒業論文を書き、本年度、同テーマで本学の大学院に入学した。 本研究が採択される前年、2013年度、映像学会の分科会において「戦前・戦中の漫画-子どもたちはどのように需要したのか-」を発表しており、2014年度は資料収集と前年の発表をもとに紀要にて「少年倶楽部 復刻愛蔵版-昭和五年一月号~昭和八年一二月号の「漫画」をめぐって-」を執筆した。本年度、2014年5月、映像学会の大会にて「子供雑誌に描かれた「写真小説」-戦時下の漫画研究をめぐって-」の研究成果を発表する予定である。また本年度も紀要にて発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りの資料収集、発表を行っている。 『少年倶楽部』『少女倶楽部』『幼年倶楽部』の資料収集を行っている。非常に高価なものが多い。また復刻版であっても高価である。そのため、現物よりもカラーコピーに頼っている。『少年倶楽部』におけるストーリーマンガの文法やどのようなことが子供たちに喜ばれていたのかはすでに論文となっている。また当時の外地での教科書や外地への観光旅行をした記録や絵なども収集している。 現物を手に入れても劣化状況が激しく、保存が難しい状態である。
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今後の研究の推進方策 |
夏・冬・春の授業のない期間、さらに土日を活用し、国会図書館、国際こども図書館、昭和館、演劇博物館などで資料を収集する。特に戦前の子ども向けの代表的雑誌である『少年倶楽部』『少女倶楽部』『幼年倶楽部』を中心に収集していく予定である。また同世代の雑誌、『少女画報』『少女世界』『少女の友』『飛行少年』『少年世界』『日本少年』『婦人倶楽部』など、多くは残されていないが、それらの雑誌についても調査していく予定である。 本年度は、学会での発表、論文執筆も行っていく。
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