研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究は、読者と著者を結び、作家と装幀家あるいは芸術家を結ぶ役割をしている装幀に注目したものである。装幀をめぐっては、自著に画家の作品を纏う作家の思惑と、作家の作品をキャンバスとして新たな作品世界を生み出す画家たちの思惑、作家が画家の作品を纏うことに宣伝効果を期待する出版社の思惑が交錯している。これらのことを、室生犀星の装幀を軸に、犀星の装幀の過程と確立において関わった恩地孝四郎と岸田劉生を例に、文学と美術が共鳴していく過程を明らかにした。
日本近代文学