本研究は、日本古典文学のオリジナルな分析に立脚したユニークな視点の研究によって浮かび上がる日本文化の内なる国際性と日本独自のバイアスの考察を試み、その成果によって、従来の日本文学・文化研究の構造に大きなパラダイムチェンジを引き起こすトリガーとなる狙いを込めて推進した。月の顔の形象をめぐる日本的性格とその近代化・西洋化の関係、「言語のプライバシー」という視点、『源氏物語』に潜在するインド性や国際性の問題などを起点とする様々な問題を深めつつ、新しい挑戦的萌芽研究「国際的日本研究における古典文学研究の基層と戦略」(JSPS科研費JP16K13198)へと接続した。
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