研究課題/領域番号 |
26580057
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
辻 昌宏 明治大学, 経営学部, 教授 (00188533)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リブレット / 草稿 / W.H.オーデン / マクニース |
研究実績の概要 |
本年度は、オーデンとコールマン共作のリブレットにストラヴィンスキーが作曲した《放蕩者のなりゆき》の成立事情を調査した。そのためストラヴィンスキーの第一次資料を収集しているバーゼルのパウル・ザッハー財団のアーカイブでストラヴィンスキーの自筆楽譜のマイクロフィルムおよびオーデンとコールマンのリブレット自筆稿のマイクロフィルムを閲覧した。また、製作から初演にいたる間の作曲家、リブレッティスタおよび劇場関係者の間でやりとりされた書簡(マイクロフィルム)を閲覧したが、劇場関係者がコールマンの存在に当惑していることが判明した。当初はオーデンが単独でリブレットを書くことが想定されていたのである。また、作曲を開始する前に、オーデンがストラヴィンスキーに、英詩の音韻、韻律について一週間集中的に教授していることもわかった。これらの葉書・書簡は書簡集にも掲載されていないものもあった。パウル・ザッハー財団での調査は、すべてマイクロフィルムの閲覧によるもので、そのマイクロフィルムのコピーやデジカメでの撮影は許可されておらず、手書きのメモだけが許可されている。 また、イギリスのオールドバラのベンジャミン・ブリテンのアーカイブで自筆楽譜およびリブレットの草稿を調査した。こちらは現物を閲覧することが出来た。ブリテンは様々な詩人の詩を歌曲にしているが、取り上げられた詩の数が最もおおいのはW.H.オーデンであることも判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
W.H.オーデンとコールマンの共作によるリブレットおよびマクニースのラジオドラマの読解・解析を進めることが出来た。また、スイス、バーゼルのパウル・ザッハー財団のアーカイブで《放蕩者のなりゆき》の成立事情について詳細な調査が出来た。さらに、イギリス、オールドバラのベンジャミン・ブリテンのアーカイブでブリテンがオーデンの詩に多くの歌曲を付していることとその背景について調査することができた。
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今後の研究の推進方策 |
W.H.オーデンとコールマンのリブレットの読解とオーデンとブリテン歌曲における共作、マクニースのラジオドラマにおけるブリテンの役割について明らかにしたい。ブリティッシュ・ライブラリーでマクニースのラジオ作品を聴く作業を進めたい。とくにラジオドラマでは音楽がどう使用されているかについても留意して聞き取ることにする方針である。
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