本研究では日本、中国、南アジア、オセアニアを対象に、本来目には見えない心的対象の可視化、言語化の過程を追った。「コミュニケーション」をキーワードに、言説空間に立ち上げられるオカルト空間を考察し、時間・空間を越える共通性を明らかにした。うち、日本を対象とする研究成果については、生成人類学会第10回国際学会(於金城学院大学2016年6月)において、「異界への扉ー日本の習俗と宗教」として発表した。「犠牲者」が可視化されるとき、それが神聖物語となるか、ルサンチマンの物語となるかは、その「犠牲者」の社会的位置と支配者の関係によることを示した。
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