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2015 年度 実施状況報告書

「思考の順序」と「言語の語順」との関係を解明する新たな研究手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26580069
研究機関東北大学

研究代表者

小泉 政利  東北大学, 文学研究科, 准教授 (10275597)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード心理言語学 / 認知科学
研究実績の概要

主語が目的語に先行する語順(SOV, SVO, VSO)を基本語順に持つSO言語の話者と,その逆に目的語が主語に先行する語順(OSV, OVS, VOS)が基本語順のOS言語の話者とでは,前言語的な思考の段階で既に事象を認識する順序(思考の順序)が異なっているのであろうか。たとえば,SO言語の話者は他動的事象を「動作主・対象」の順序で認識し,OS言語の話者は「対象・動作主」の順序で認識するのであろうか。それともSO言語の話者もOS言語の話者も思考の順序は同じで,思考内容を言語化する段階で語順に違いが生じるのであろうか。本研究の目的は,このような思考の順序と言語の語順との関係を実証的に検証するための新たな研究手法を開発することである。
それを踏まえて,27年度は,新しい実験手法の実効性を確認するために、OS言語であるカクチケル語(グアテマラで話されているマヤ諸語のひとつ)とタロコ語(台湾で話されているオーストロネシア語族の言語のひとつ)の話者を対象に、言語の語順と思考の順序の関係を調べる実験を行った。その結果,ヘッドマウント式ディスプレイ一体型視線計測装置を使わなくても,被験者への教示とデータ解析の手法を工夫することによって,Tobii TX300のように実験参加者の負担が少ないタイプの机上据え置き型の視線計測装置で充分に必要なデータがとれる見通しがついた。現在,データをさらに詳細に分析している最中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヘッドマウント式ディスプレイ一体型視線計測装置を使わなくても,被験者への教示とデータ解析の手法を工夫することによって,Tobii TX300のように実験参加者の負担が少ないタイプの机上据え置き型の視線計測装置で充分に必要なデータがとれる見通しがついたのは,大きな成果である。

今後の研究の推進方策

これまでの成果をもとに,言語の語順と思考の言語を研究するための新しい実験手法を完成させる。

次年度使用額が生じた理由

ボストンで行う予定だった研究協力者との打ち合わせ会が先方の都合で延期になったため。

次年度使用額の使用計画

前年度行えなかった研究打合せ会を今年度行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件)

  • [国際共同研究] 国立東華大学(台湾)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      国立東華大学
  • [国際共同研究] Komunidad Linguistica Kaqchikel(グアテマラ)

    • 国名
      グアテマラ
    • 外国機関名
      Komunidad Linguistica Kaqchikel
  • [雑誌論文] 態と語順が日本語の文産出時の処理負荷に与える影響について:母語話者と学習者との比較2016

    • 著者名/発表者名
      孫猛,小泉政利
    • 雑誌名

      言語学論集

      巻: 24 ページ: 15-30

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公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-02-28  

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