研究課題
本年度までの研究により、サピアによって提示された音象徴性に基づき、構音構造において母音の大きさが大きい「ア」音が大きな動きに、母音の大きさが小さい「イ」音が小さな動きに対応づけられるという仮説を提唱し検討を進めた。さらに、ケーラーにより提唱された言語普遍的なブーバキキ効果に観られる言語普遍性を検討した結果、多くの言語において動きの滑らかさと共鳴音性(母音、流音、鼻音)との間に顕著に共通した特徴が観られた。その一方で、言語特異的な特徴についても認められた。第一に日本語の「ハ」行/「バ」行/「パ」行の音のように歴史的に複雑な音素交代を繰り返してきた音については、普遍的な言語傾向とは異なる傾向が観られた。次に、日本語の「ウ」音と英語における[u]のように音声学的に異なる言語音に対しては異なる音象徴性が付与される傾向があった。さらに、言語間において同一の音に対して、逆の音象徴性を示す結果も観られた。つまり、音と動きの特徴との組み合わせが言語普遍的に同一軸をなす一方で言語特異的に軸の逆位置に布置されるという現象として現れたことになり、複雑な組み合わせの構造を有していることを示している。
招待講演2016年9月19日:主体的学びとは何か――発見、創造、修正の循環とそれを促す教育 大東文化大学 「アクティブ・ラーニング推進講座・学習理論講座」講演 大東文化大学板橋キャンパス広島県 教育委員会 (9月9日) 広島県の今後の幼児教育の施策について――認知科学からの提言 広島県庁教育委員会
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http://cogpsy.sfc.keio.ac.jp/imailab/publications/