オノマトペにおける音と意味との関連を調べるため、「移動様態」で歩いたり走ったりしている動画を英語話者と日本語話者に見せ、新しいオノマトペを産出させ、大きさや速さについても評定を行わせた。その後、産出された音声の音素における音素性について分析を行った。日本語・英語で普遍的に用いられていたのは遅い動きに対する鼻音だけであった。一方、同じ音素性を日英で逆の特徴に用いることもあった。このように、日本語話者と英語話者の音―意味の対応づけでは,言語の普遍性よりも特異性が顕著であった。これはオノマトペが、音素や語彙という各レベルにおいて、個別の言語体系の中で身体化され用いられていることの証左であるといえる。
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