自然言語処理の研究は、研究者が人手で付与したコーパスアノテーションを解析器がどこまで自動復元できるか、その精度を競ってきた。しかし、文生成の出力はいまだ不自然である。本研究では、言語処理モデルをあえて「人間並みに失敗」するように構築し、より自然な言語処理の研究を行う。
基本的な心理学的妥当性を満たす構文解析モデルに基づき、昨年度は日本語構文解析器のプロトタイプを構築した。本年度はこの構文解析器をコーパスデータで学習させ、実用的な評価値が得られることを確認した。
また並行して、本研究のアプリケーションになりうるテーマを模索した。ひとつは対話破綻検出チャレンジへの参加である。もうひとつはゲームプレイヤーのAI化を目標とする人狼知能プロジェクトへの参加で、文生成技術、また本研究で同時に構築される文解析技術の応用の可能性を検討した。
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