研究課題
自然言語処理の研究は、研究者が人手で付与したコーパスアノテーションを解析器がどこまで自動復元できるか、その精度を競ってきた。しかし、文生成の出力は未だ不自然である。また、多くの研究では書き言葉を前提としており、話し言葉の処理では性能が低い。本研究では、言語処理モデルをあえて「人間並みに失敗」するように構築し、より自然な言語処理の研究を行う。基本的な心理学的妥当性を満たす構文解析モデルに基づき、これまで日本語構文解析器のプロトタイプを構築し、この構文解析器をコーパスデータで学習させ、実用的な評価値が得られることを確認してきた。さらに、構文と同時により意味的なレイヤを出力できるよう解析器を拡張した。性能向上のため、カスタム辞書の追加が容易になるようシステムを整備した。研究の評価の一つなるよう、対話ゲーム「人狼」の自動プレイヤー構築を目標とする人狼知能プロジェクトをオーガナイザーの一人として運営し、日本語による自動対戦を行う自然言語部門をたちあげて機械同士、また機械対人間で対戦するはじめての本大会を行った。同時に参加者として、前述の解析器を用いて対話システムを構築し、大会に参加した。結果、審査委員による賞を受賞した。また別の軸からの評価となるよう、精神科の問診対話データの解析に適用した。精神科の診断は基本的に医師と患者の会話に基づいており、これを自動分析するためには対話の解析が必要となる。別途構築した問診データコーパスに対して解析が可能か検証した。
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