研究課題/領域番号 |
26580083
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高山 善行 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (90206897)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 条件文 / 古代語 / 文法史 / プロトタイプ / 係助詞「は」 |
研究実績の概要 |
本研究の実施期間は、平成26~28年度であり、本年度(平成26年度)はその開始年度にあたる。本年度はすみやかに研究態勢を確立するとともに、研究の基礎となる先行研究文献の調査、他の研究者との情報交換をおこなった。 まず、本研究の実施に必要となる学術図書(言語学関係、古典文学関係)、携帯用ノートPC等を購入し、研究設備を整えた。さらに、国立国会図書館(関西館)における文献調査を実施し、先行研究の文献収集、整理をおこなった。また、文法史関係、古典文学関係の研究者との情報交換により、非典型的タイプ条件文の文脈条件、疑問文との関係等について、理論的な見通しを得ることができた。 特に、疑問文との関係については、国立国語研究所の共同研究プロジェクトにおける研究発表会で発表する機会を得て、これまでばらばらに扱われていた条件文と疑問文がモダリティ形式の生起の点で共通性を有し、密接な関係をもつことが明らかになった。今後さらに記述分析を進めていけば、本研究は、条件文研究と疑問文研究の両方に貢献できる可能性が高いと思われる。 本研究で扱う非典型的タイプ条件文は、古代語が中心であるが、現代語においてもそれに相当するタイプの文は見られる。本年度においては行えなかったが、今後は現代語との比較対照を進めていく必要がある。そのためには、現代語の条件文の理論的研究を推進している研究者との情報交換が必要となってくるだろう。研究打ち合わせ会議に招聘するなど、具体的な実施方法を企画・検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を実施する上で必要となる研究態勢が確立できている。今後、調査分析する上での理論的な見通しが得られている。その点はよいが、用例調査が遅れている。 その理由として、昨年度は公務多忙に加えて、家庭の事情があり、研究の時間が十分とれなかったことがある。
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今後の研究の推進方策 |
上代語、中古語の用例調査を進めていき、分析の基礎となるデータを構築することが推進方策となる。そのための予備的調査を進める。それと同時に、現代語の調査も進めていく。
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