研究課題/領域番号 |
26580093
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
桑原 陽子 福井大学, 国際交流センター, 准教授 (30397286)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 漢字2字熟語 / 漢語動名詞 / 意味推測 / 非漢字系 |
研究実績の概要 |
漢語動名詞の意味推測過程を明らかにするために,以下の3つの調査を行った。 [調査1]2015年5月~6月:非漢字系中上級日本語学習者22名に対して質問紙による調査を実施した。質問紙の内容は,漢字2字熟語420語を単独で見せ,それぞれに「する」がつくと思うかどうかを判断してもらうものである。その結果について,特に漢語動名詞の語構成のタイプがどのように影響しているのかを分析した。 [調査2]2015年7月:調査1の協力者のうち6名に対して,個別インタビュー調査を行い,調査1の回答について,学習者自身の判断基準や語構成について知っていることなどについて詳しく聞いた。調査1と調査2の結果については,第二言語習得研究会の全国学会で発表を行っている。 [調査3]2016年3月:調査1,調査2の結果をもとに,非漢字系中級学習者10名を対象に,質問紙による調査とその結果に対するインタビュー調査を同時に行った。調査にはミュンヘン大学の協力を得て,ミュンヘン大学で日本語を学習している中級学習者を対象とした。これにより学習者の漢字学習の背景をある程度統制することが可能となった。調査に使用した漢字2字熟語は,調査1から厳選した50語である。これにより,漢字2字熟語の語構成についてどのような知識を用いているのかについて,詳しいデータが得られた。この調査に参加した学習者10名に対しては,半年後に同様の調査を行い,語構成についての知識がどのように変化しているのかについて分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ミュンヘン大学の協力を得て,漢字2字熟語の語構成に関する知識について,縦断的な調査を開始している。そのための予備的な調査を十分に行い,その結果を学会でも発表している。
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今後の研究の推進方策 |
2016年3月に実施した,ミュンヘン大学における縦断的研究の第1回目の調査を詳しく分析する予定である。さらに,第2回目の調査を2016年夏に予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
謝金が想定していたよりも少額であったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
縦断研究のための調査第2回をミュンヘン大学(ドイツ)で実施予定であり,そのための旅費および謝金が必要である。
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