本研究では,非漢字系の中上級日本語学習者の漢字2字熟語の意味推測過程について分析した。特に,漢語動名詞(例:「洗車」のように「する」がつく漢字熟語)をとりあげ,それに「する」がついて動詞として使用できるかどうかの判断に,どのような知識が影響するかを調査した。ドイツ語を母語とする学習者を対象に調査した結果,漢字2字熟語の語構成についての捉え方,特に右側の漢字(例:「洗車」であれば「車」)の特徴に大きく影響される傾向があることがわかった。これは,母語であるドイツ語の語構成についての知識の影響が示唆される。
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