研究課題/領域番号 |
26580105
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
石崎 貴士 山形大学, その他の研究科, 准教授 (20323181)
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研究分担者 |
中西 達也 山形大学, 教育文化学部, 教授 (10217771)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コネクショニズム / シミュレーション / 第二言語習得 / 言語カテゴリーの境界線 |
研究実績の概要 |
これまで主に心理学の領域で注目されてきたコネクショニズムは言語学に対しても示唆に富んだ研究が多くなされており、第二言語習得研究への応用も大いに期待できる。しかし、概説書で紹介されている実践例は第二言語習得研究への応用を想定していないため、それをそのまま適用することはできない。そこで本研究では、学習の対象となる同一の事象や項目を異なる二言語間で同様に記号変換できる共通の変換フォーマットを提案し、第二言語習得を模擬する学習シミュレーションが可能であることを示した後、複数のシミュレータを用いて、その結果を比較・検証する。このうち本年度は、昨年度「バイリンガル」を想定して実施した「言語カテゴリーの境界線」の学習シミュレーションを、「第二言語学習者」を想定して実施し、そこで得られた知見を学会で発表して、その内容を学会誌に論文として投稿した。また、昨年度新たに海外から購入したシミュレータについて、英文のマニュアルを読みながら操作し、機能を理解していくと、これまで用いていたシミュレータよりも優れている点(学習アルゴリズムなど)が明らかになるのと同時に、これまで用いていたシミュレータが備えていた幾つかの機能が当該のシミュレータには備わっていないということも明らかになった。そこで、これまで行ってきたシミュレーションから新しく購入したシミュレータでも実施可能なものを検討しなおし、特に結果の数値データを記号に変換する作業については表計算ソフト(エクセル)を活用しながらシミュレーションを行った。現在は、その結果を、これまで用いていたシミュレータのものと比較・検証し、次年度の発表に向けて準備を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度中に新たに購入したシミュレータを用いてシミュレーションを実施する段階まで到達できたので、おおむね順調に進展しているといえる。今後は、このシミュレーションの結果について、当該分野における専門家の意見なども参考にしながら分析・検討を行い、研究成果をまとめて学会で発表し、さらにその内容を学会誌に論文として投稿する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今回新規に購入・入手したシミュレータを用いて実施したシミュレーションの結果について、これまで用いていたシミュレータでの結果と比較しながら分析・検証を行い、研究成果をまとめて学会で発表し、さらにその内容について論文の形にまとめたものを学会誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画において外部の業者に依頼しようと考えていたシミュレータ(ソフトウェア)のカスタマイズとシステム環境のファインチューニングについて、研究代表者と同一の所属機関の専門家を新たに研究分担者として追加することで対応できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度、シミュレーションの結果を集計するにあたり、データの入力については研究補助に依頼する。また、データの管理ついては専用のストレージを別途購入する予定である。さらに、発表に向け成果をまとめるにあたっては当該分野における専門家を直接訪ねたり、インターネット上でやり取りしたりしながらアドバイスを求める。研究の成果については学会で発表し、その内容について論文にまとめ学会誌へ投稿する。
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