本研究では、事象関連電位を含む3つの文処理実験を行い、習熟度や記憶容量の異なる日本人英語学習者が、どのように語彙情報や統語情報を扱い、文を理解しているのか調査を行った。実験の結果、習熟度の低い日本人英語学習者は、名詞句の有生性といった語彙情報に依存し文を理解しているが、習熟度が高くなると文構造の情報を使うことができるようになるということが明らかになった。さらに、記憶容量もL2文処理に影響を与えており、記憶容量の大きい日本人英語学習者は小さい日本人英語学習者より、処理負荷の高まる動詞位置の読み時間が早くなることがわかった。
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