研究課題/領域番号 |
26580113
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤田 智子 東海大学, 外国語教育センター, 教授 (80329002)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | グループオーラルテスト / 到達度目標 / 評価基準 / 発語数 / 機械採点 / 客観的評価 / プログラム評価 |
研究実績の概要 |
今年度の目標は、グループオーラルテストの基盤を作り、大学英語教育プログラム評価の中でどのような役割を果たすことができるか検討することである。そのため以下の2つの計画を実行した。
1.テスト受験グループの人数を決める: 2人、3人、4人のグループを3組ずつ作り、同じテーマについての8分間の会話を録画し、これらの会話を書き起こした。先行研究にもあるように、2人組では、やはり相手の要因に影響を受ける割合が大きい傾向があった。例えば、無口で黙っている時間が長い相手の場合、1人で会話を続けることは難しくなる。また、会話がはずまず無口な受験者が相手に謝る気まずい空気が流れたケースもあった。また、4人組では、あいづちを打つだけで積極的に話さない受験者が居て、4人が同じバランスで発話することが難しい傾向があった。従って、これらの2人組、4人組の問題点が軽減される3人組でのグループオーラルテストが最も不安定要因が少ないと考えられる。従って、本研究のグループオーラルテストは3人組のグループを対象とすることにした。
2.プログラム評価でのグループオーラルテスト: 英語教育プログラム評価についてのアンケート調査表を作成し、40大学で英語教育に携わる教員に回答してもらった。多くの大学ではTOEIC/TOEFLや英検など筆記テストによるプログラム評価を念頭に置いている。しかし、学生のスピーキング能力の向上を授業の到達目標にする英語教育プログラムも少数派ながら存在していることが分かった。このようなプログラムではスピーキングテストでアウトカムを測るべきだという意見が聞かれ、大学英語教育プログラムにおいてグループオーラルテストのニーズがあることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画はグループオーラルテストを受験するグループの人数、テストの評価基準などを整備し、本計画で開発するテストの大まかな枠組みを決めることであった。まず、2人、3人、4人のグループを3組ずつ作り、同じテーマについての8分間の会話を録画した実験により、3人組でのグループオーラルテストが最も不安定要因が少ないという結果が得られ、本研究のグループオーラルテストは3人組のグループを対象とすることにした。また評価基準については、本実験で発語数と話者間の発語バランスを評価基準に入れたが問題はなくスピーキング能力を評価できた。従って、計画の達成度はおおむね順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
グループオーラル予備テストを実施して、評価基準を決定する。人による評価基準は、発音、語彙、文法、流暢さ、会話方略など従来の5基準を2つにまとめる。機械採点の2評価基準は、「発語数」と「話者間の発語数バランス」の予定である。本テストの目的は「グローバル人材の会話能力を評価する」ことである。テスト妥当性や、信頼性を確認し、より目的にあったテストにするために予備テストを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度使用する予定であったグループオーラル予備テストの実施件数が予定を下回ったため経費の一部を回して予備テストを次年度にも実施する。また、それにともなう謝金などの費用も次年度に使用する。本年度購入予定であったパソコンを来年度に購入することにしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
パソコンを次年度の早い時期に購入する。また、グループオーラル予備テストに関わる経費を次年度に使用し、グループオーラルテストの評価基準の研究のため文献や資料を収集するため外国出張を予定している。
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