研究課題/領域番号 |
26580114
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
相澤 一美 東京電機大学, 工学部, 教授 (00222448)
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研究分担者 |
神本 忠光 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20152861)
磯 達夫 東京電機大学, 工学部, 准教授 (40438916)
笹尾 洋介 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (80646860)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 英語 / コミュニケーション能力 / 語彙知識 / オンラインテスト / メタ分析 |
研究実績の概要 |
大学教養の英語の授業では,習熟度別にクラスを編成するケースが増えている。クラス分け試験では,TOEICなどの商用テストが用いられる。しかし,試験が有償で採点に時間もかかり,学生も受験準備ができていない場合が多い。そこで本研究は,語彙知識と英語習熟度の相関が高いことに着目し,英語の基礎的なコミュニケーション能力を高い精度で予測できるオンラインの語彙テストを開発することにした。 まず,各大学の英語の授業で学力別クラス編成を行っているか,学力別にクラス編成している場合はどんな試験を利用しているかをアンケート調査した。その結果,ほとんどの大学で学力別にクラス編成をしており,TOEICのスコアをクラス編成の資料に利用していることが明らかになった。本研究の意義が確認された。 開発する語彙テストを2種類検討した。まずYes/No Testでは,JACET8000の各レベルから8語の「ヒトの性格や状態を表す形容詞」を抽出し、さらに、8語の疑似語を加え、合計72語のテストを作成した。先行研究(Meara, 1992; Meara & Jones, 1988)との違いの1つは、本テストには回答の際に4段階の自信度申告があることである。 2つ目のテストは,語彙知識が英語習熟度を構成する道具主義の仮説 (Nation, 1993)に基づき,TOEICに頻出する単語知識が, TOEICの得点に直接反映されることを前提とした。テストでは,ETSが発行する公式単語集 (2013)に見出し語として掲載された1242語を目標語選定のための材料とした。問題形式は,目標語を与えて,4つの日本語の中から,目標語の意味と合うものを選択する形式を採用した。 以上の2種類のテストに,のべ750名の調査参加者に協力を得てデータを確保した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒトの性格や状態を表す形容詞を目標語とした語彙性判断テストと,TOEICに頻出する語彙を目標語とした4選択肢のテストの2種類を作成することができた。さらに,延べ700名に及ぶ大学生に試験を実施して,データを確保している。本科研プロジェクトによるシンポジウムを開催することはできなかったが,言語教育エキスポにおいて,成果を発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に収集したデータを分析して,作成した2種類の語彙テストの特徴を明らかにする。その上で,改善点を明らかにして,語彙テストの問題を修正したり,新たな問題を作成することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
設備備品費として,コンテンツ配信サーバーを購入して設置する予定であったが,レンタルサーバーの方がセキュリティの観点で優れていることが判明したため,購入を取りやめた。更に,研究打ち合わせを行う予定であったが,スカイプによる会議で実施したため,予算を節約することができた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は,昨年度集めたデータで研究発表が可能なので,成果を発表するための旅費として計上する。また,機会があれば,指導助言を仰いでいるMeara博士に直接専門的な知識の供与を受けるために渡英したいと考えている。
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