本研究給費を受給した3年間において、プログラミングに精通しない英語教員でも作成可能なプログラムを開発することを目的とした。Moodleなどでも単純な出題は可能であるが、今研究における多岐選択問題には、記述要素と音声のフィードバックを付加し、より高度なプログラミングが完成した。また記述式の入力プログラムにおいても、不正解者または解答をできない学生が音声をヒントにして解答できるようなプログラムを開発した。この点において意義のある研究成果を残すことができた。当初目標としたランダム出題は、数値的には可能であるがメモリーの問題から実現には至らなかった。ログの解析に関しても現在使用しているPCのメモリーでは負荷のかかるプログラミングになることが予想され、学生による成績管理を可能にするにとどまった。さらに、品詞解析と統語分析をするプログラムの作成に取り掛かろることも可能であり、作成の準備に取り掛かったが、本研究がよりどころとした日本大学工学部・渡邊博之研究室のWebCAIがJava Applet を用いていたおかげで、2015年9月以降のJavaのアップデートに対応できなくなったことにより、このプログラムの開発は見送ることとなった。今後、機会を見てJava ScriptによるSCORM対応LMSを用いたプログラミングの開発を目指したい。 最終年度にはこれまでも研究の総括として、昨年度までの調査で得られたデータの分析を行った。また、最終数年度にe-learningに反転形式の教授形態を導入し、さらにアクティブに学習させる試みを行った。その結果を通常形式でe-learningを用いた場合と対照させた。この3年間で本研究とその礎石となる学習的統語分析の研究に関しては、4回の国際会議を含む12回の発表を行い、10篇の有審査論文、1冊の著書(国際文化表現学会賞受賞)を上梓した。
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