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2014 年度 実施状況報告書

脳波測定による睡眠・匂いが言語能力向上に及ぼす効果度の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26580116
研究機関神奈川大学

研究代表者

篠塚 勝正  神奈川大学, 外国語学部, 非常勤講師 (40528775)

研究分担者 窪田 三喜夫  成城大学, 文芸学部, 教授 (60259182)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード睡眠 / 意味記憶 / 想起率 / Working Memory課題
研究実績の概要

研究初年度の平成26年度は、昼寝とWorking Memory課題の想起率の関係を大学生を参加者とし行動実験を行った。昼寝が、宣言的記憶強化に有益という先行研究がある(Song et al, 2001; Takahashi and Arito, 2000など)。我々は、宣言的記憶に分類される意味記憶で日本語の単語を昼寝群としない群に分け、想起率に差異があるか否かを実験した。
参加者はA)昼寝群(25分)B)全く昼寝しない群C)昼寝はしないが覚える時間を1分間与えた群の3群に分けた。3群全て刺激語(日本語:おとこ、つくえ等L長期記憶に格納されている9語(GA Miller, 1956:magical number7±2に基づく)の単語に関連がない名詞)を聴覚入力(東京の標準語発音)とした。次に、A群は昼寝直後入力通りの順番で単語を用紙に書く。B群は昼寝はなく入力直後に用紙に書く。C群は1分間のmemory session 直後に用紙に書くWM課題である。
結果は、A群(32名、平均19.8才)は、昼寝後の想起語数は、9語中平均6.38語であった。前日の平均睡眠時間は、6.7時間で、睡眠時間と想起率の相関係数は0.05であった。B群(33名、平均19.5才)は、平均5.31語、平均睡眠時間は、5.56時間で、相関係数は0.31で弱い相関がみられた。C群(31名、平均20.7才)では、平均7.93語で平均睡眠時間は6時間で、相関係数は0.2であった。昼寝した群がしない群より想起語数が約1語多かった。memory sessionをした群はWMの音韻ループ上での繰り返しで長期記憶化した結果、想起語彙が8語近くになったと考えられる。今年度は、昼寝時に脳波でNREM時及び、REM時に言語記憶をさせ、また睡眠か交感、副交感神経優位かどうかをも計測し、想起率との関連を綿密に精査する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

先行研究に基づき、行動実験で、昼寝が宣言的記憶の中の意味記憶においても、記憶及び、想起率が昼寝をしない群より優位であったことを確認できた。また、Working Memory上の音韻ループで繰り返しを行うと、Millerのmagical number±2を支持できる行動実験が実現できた。その一方で、繰り返しを行わず、また昼寝も取らないと、Cowan(2001)のmagical number 4の近似値を今回の行動実験で得ることができ、有意義な研究結果を得られた。

今後の研究の推進方策

今後は、昼寝をしている時の想起率がよい場合と逆の場合の脳波計を用いて、NREM及びREM睡眠の成分分析及び、自律神経がいかなる状態で、記憶、想起率に奏功するのかを脳科学的に行う。また、今年度は人工言語の刺激を作成し、この研究の最終目的の外国語教育に応用可能な理想的な昼寝の形態を探ることとする。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度に、脳波計備品を購入し、睡眠と匂いに関する脳波測定を行う予定であった。しかし、脳波計の headcapと trigger module システムの製作に遅れが生じてしまったため、購入、納入ができなくなってしまった。そのため、平成26年度の研究計画を若干変更し、昼寝とworking memory 課題の想起率との関連を調べた。よって、平成26年度末に未使用額が生じ、平成27年度使用額も発生した。

次年度使用額の使用計画

平成27年度に、脳機能イメージング測定を脳波計により行うことにし、使用計画としては、脳波計のheadcapとtrigger moduleシステムの備品購入にあてることにしたい。

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公開日: 2016-05-27  

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