研究課題/領域番号 |
26580123
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
堀 正広 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20238778)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 英作文 / 自己診断 / 自己添削 / コンコーダンサーAntConc / 学習者コーパス / コーパス言語学 / アクティブラーニング / アカデミックライティング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、英作文の添削をネイティブ・スピーカーや英語教師に頼るのではなく、無償で提供されているコンコーダンサーソフトウェア―AntConc3.2.1.0 を使って、自分自身で主体的に英作文を改善する方法論を確立し、その有用性を実証することである。その方法論を確立するために、英語コーパス言語学の知見と学習者コーパス研究の成果を援用する。また、その有用性を明らかにするためにネイティブスピーカーの添削英文と比較する。さらに、一般的な英作文の授業に比べ、本研究による英作文自己添削法による授業は、受講者の達成感や動機づけの向上にどのように影響するかをアンケート調査によって明らかにする。 2014年度に、本科研の研究代表者である堀が編者の1人として刊行した『英語教師のためのコーパス活用ガイド』(他の編者は赤野一郎、投野由紀夫、大修館書店)には、本科研の研究課題である第15章「AntConc を使った英作文の自己診断と自己添削法」が収められている。2015年度では本研究課題にネイティブスピーカーや学生とのアンケート調査を加味した研究を2015年8月30日に鹿児島大学で開催された大学英語教育学会 (JACET)で発表した。 また、英語コーパス学会の会長として、学会設立20年を記念した『英語コーパス研究シリーズ(全7巻)』(ひつじ書房)を企画し、共同監修者として2015年度は第2巻『コーパスと英語教育』(投野由紀夫編)と 『コーパスと英文法・語法』(深谷輝彦・滝沢直宏)を刊行した。 また、文体研究の視点を英語教育にどのように活かすことかを提案するシンポジウム『文体論に基づく英語教育再興』の講師として、2015年5月24日に、立正大学で開催された日本英文学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度は、とくに英語コーパス言語学の知見と学習者コーパス研究の成果に基づいて、英作文の自己診断と自己添削法を確立することを目標とした。英語コーパス学会の会長として、『英語コーパス研究シリーズ(全7巻)』(ひつじ書房)を企画し、共同監修者として2015年度に刊行した第2巻『コーパスと英語教育』(投野由紀夫編)と『コーパスと英文法・語法』(深谷輝彦・滝沢直宏)の刊行に当たって、英語コーパス言語学と学習者コーパスの研究者と意見を交わすことができたので、当初の研究計画はおおむね順調に進展していると言うことができる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の有用性を実証するために、ネイティブスピーカーの添削英作文との比較や教育効果の測定として、受講者のアンケート調査を更に充実させて行く。また、次年度の2016年9月に北星学園大学で開催される大学英語教育学会 (JACET)でシンポジウムを行い、本研究課題についてフロアーから積極的なご意見を拝聴する予定である。 本研究課題は、本科研の研究代表者が勤務校で担当している授業において数年前から実践している方法である。今年度もこれまでの方法論を改善して、学生の到達度や満足度を確認しながら実践していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本学の姉妹校である韓国の大田大学において、本科研の研究課題に関する調査を予定していたが、次の理由により断念した。国内での講演や学会発表が例年に比べ7回と多く、また学内での図書館長と評議員の役職のために出張期間を確保することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、主に国内の研究者と第2言語としての英作文教育に関して意見交換を行ってきた。次年度は、海外の学会に参加し、海外の研究者と意見交換を行いたい。また、可能であれば本学の姉妹校である韓国の大田大学において、本科研の研究課題に関する調査を行いたい。
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