研究課題/領域番号 |
26580128
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
加藤 聖文 国文学研究資料館, 研究部, 助教 (70353414)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 日本史 / 国際関係 / 外交史 / 政治学 / 西洋史 |
研究実績の概要 |
2014年度は主にスウェーデン・フィンランド・デンマークでの調査と関連文書の収集に努めた。スウェーデンでは、過去に収集した国立公文書館新館が所蔵する日本とソ連との外交交渉および大戦中の俘虜収容所関連の文書に加えて、今回は国立公文書館本館において1937~1945年の在華領事館文書と駐満洲国公使館文書を調査した。大戦中の文書の多くは新館に所蔵されているが、財産関係や在外公館との通信など多くの文書がまだ本館に残っていることが判明し、大戦中の在華欧州人保護関係と対満洲国外交に関わる文書を収集した。また、あわせて軍事公文書館にて駐在武官関係の文書を調査し、1930年代の駐日・駐華武官の文書を収集した。駐在武官関係は国立公文書館にも所蔵されているため今回はその概略を把握したに止まった。 フィンランドでは、国立公文書館オウル分館に所蔵されている駐日・駐満公使館文書および在華領事館文書を調査し、大戦中の枢軸国同盟関係の文書を収集した。とくに対満洲国外交に関わる文書の所在が明らかになり、主要な文書の撮影を完了した。 デンマークでは、国立公文書館に所蔵されているドイツ占領期の対日外交・対満洲国外交文書を調査した。原本閲覧には最長で申請から1ヵ月かかるため今回は閲覧対象文書の抽出に止めた。 以上の調査において収集した撮影データをまとめ内容の分析に取りかかっている。 また、9月にイギリス調査を行い、ケンブリッジ大学において研究成果の一端を報告することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スウェーデンをはじめ北欧での調査では多くの成果を得ることができた。また、対象国を広げたことでより立体的な視野を得ることができた。ただし、対象国の政府組織変遷などを把握しなければ目的とする文書を効率的に収集することが難しく、組織変遷の理解に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は当初の計画通り、スイスおよび国際赤十字委員会、ならびにバチカンでの調査を予定している。研究はおおむね計画通りに進んでいるため、2015年度以降も当初計画通りとしているが、申請額に比して配分額が少ないため、海外調査期間などの圧縮が必要となっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は極めて少額であり、前年度計画に大きな変更があったためではなく、また前年度計画は支障なく遂行することができた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は2015年度の物品費購入に充てる予定である。
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