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2016 年度 実績報告書

ニューファンドランドのカナダ編入と英米加――20世紀北大西洋世界像刷新の試み

研究課題

研究課題/領域番号 26580134
研究機関鹿児島大学

研究代表者

細川 道久  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (20209240)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードニューファンドランド / カナダ / イギリス帝国 / アメリカ合衆国 / 関係史
研究実績の概要

1949年、ニューファンドランドは、10番目の州としてカナダに加入した。本研究課題は、その過程について、英・米・加・ニューファンドランドの4者の動きを考察し、20世紀中葉の北大西洋世界の多重的関係とその変化を明らかにすることを目的としている。
最終年度にあたる本年度は、第1次、第2次資料(特に、昨年度調査できなかったカナダ側の資料)に関する補充調査を実施したうえで、上記の考察を実施した。その結果、以下の4点を析出した。(1)第2次世界大戦期に英米加が接近(英米間で基地貸借協定締結、米加間に合同防衛委員会設置)する一方で,ニューファンドランドに関しては米加間に微妙な競合関係が生じたこと。(2)大戦で疲弊したイギリスにはニューファンドランドの債務を補填する余裕がなく、ニューファンドランド再建策を策定するなかでカナダ連邦加入案が浮上し、それがカナダの思惑と合致したこと。(3)英加が共同歩調をとって、カナダ連邦加入交渉を主導したこと。(4)こうした英米加の動きに対して,ニューファンドランド側では,連邦加入推進派(対英加協調路線)と、連邦加入阻止派(対米協調路線をとる者や現状維持派など,主張は様々であった)が対立抗争を繰り広げたこと。
日本でのニューファンドランドに関する歴史研究は、皆無に等しいため,上記4点を見出すにいたったことは大きな成果であった。しかし,3年という研究期間では英・米・加・ニューファンドランドの4者の動きを大まかにしかとらえることができなかった。実証度を高めるには,さらなる資料調査・考察が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] アジア系移民史が拓く歴史研究の新地平――近年の研究から2016

    • 著者名/発表者名
      細川道久
    • 雑誌名

      西洋史学論集

      巻: 52 ページ: 57-59

    • 査読あり

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公開日: 2018-01-16  

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