ニューファンドランドのカナダ編入過程につき,英・米・加・ニューファンドランドの動きを考察し,以下の4点を析出した。1.第2次世界大戦期に英米加が接近する一方,ニューファンドランドに関しては米加間に競合関係が生じた。2.大戦で疲弊したイギリスにはニューファンドランド債務を補填する余裕がなく,ニューファンドランド再建案を検討するなかで浮上したのがカナダ連邦加入案であり,それがカナダの思惑と合致した,3.英加が共同歩調をとり,カナダ連邦加入交渉を主導した, 4.英米加の動きに対して,ニューファンドランドでは連邦加入推進派(対英加協調)と阻止派(対米協調や現状維持など,主張は様々)が対立した。
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