研究課題/領域番号 |
26580137
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
笹田 朋孝 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90508764)
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研究分担者 |
中西 哲也 九州大学, 総合研究博物館, 准教授 (50315115)
山末 英嗣 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90324673)
田中 眞奈子 東京藝術大学, アートイノベーションセンター, 助手 (70616375)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 考古学 / 文化財科学 / 考古金属学 / 幕末 |
研究実績の概要 |
日本には欧米のアーケオメタラジー(Archaeometallurgy:考古金属学)に直接対応する研究領域が存在しておらず、複数の既存の学問領域のニッチとして存在している。そこで幕末佐賀藩の近代産業化遺跡(とくに佐賀市多布施反射炉跡)の学際的研究などを実践し、出土金属資料に対する考古学・文献史学・冶金学・鉱山鉱床学・文化財科学の専門家がそれぞれの専門性を活かしながら実証的な学術研究に取り組み、人と金属の歴史に関する研究成果を国内外に積極的に行うことで、欧米のアーケオメタラジーに対応する研究領域を日本にも創出することを目的としている。 今年度は佐賀市教育委員会世界遺産調査室の協力の下で佐賀市の築地反射炉や多布施反射炉などから出土した遺物のサンプル採取を実施したり、ドイツ・ボン大学からモンゴル国バガ・ナリーン・アム遺跡(匈奴時代)の製鉄スラグなどの提供を受けるなど、研究メンバーによる共同調査を開始した。 またその一方で日本鉄鋼協会の鉄鋼プレゼンス研究調査委員会内に新たな研究フォーラム「鉄文化財にみる日本の独自技術の学際的研究フォーラム」を創設することに成功した。若手の研究者を中心に文理融合した学際的研究体制で鉄文化財に関する実証的な学術研究に取り組むことを目的にフォーラム活動を開始し、これまでにキックオフシンポジウムと火縄銃の学際的研究をテーマとするシンポジウムを開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は研究会組織の設立を最終年度の目標としていた。しかし初年度に日本鉄鋼協会内に若手を中心とした研究フォーラムを設立することができ、これまでに2回の研究会と2回の文化財セッションを開催することができたから。
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今後の研究の推進方策 |
国内における研究活動ならびに学会活動は充分に実行しているので、今後は国際的な研究あるいは海外の学会での発表などを推進していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者のうち2名が関連する研究費を新規に獲得した結果、当初私用予定の旅費などに余裕が生じた。次年度は海外での研究活動や学会発表を計画していたため、今年度中に執行するよりは次年度に繰り越した方が大きな成果を見込めることから、次年度に予算(旅費)を繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
海外での研究活動や学会発表を申請時の計画より増やし、その費用に充てる。
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