本研究では、出土金属資料に対して考古学・冶金学・鉱山鉱床学・文化財科学の専門家が実証的な学術研究に取り組み、その研究活動を国内外に積極的に発表することで、欧米の考古金属学に対応する研究領域を日本にも創出することを目的としていた。佐賀藩の近代産業化活動の研究では、シンポジウム「幕末佐賀藩三重津海軍所跡の学際的研究」を開催し、西洋の技術だけではなく在来の技術や知恵も活用していたことを明らかにした。一方で日本鉄鋼協会内に「鉄文化財にみる日本の独自技術の学際的研究フォーラム」を創設し研究組織として活発に活動した。海外との研究連携ではインドやフランスの考古金属学者との連携を深めることができた。
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