研究課題/領域番号 |
26580144
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研究機関 | 一般財団法人農政調査委員会 |
研究代表者 |
鷹取 泰子 一般財団法人農政調査委員会, 調査研究部, 研究員(移行) (30643283)
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研究分担者 |
佐々木 リディア 一般財団法人農政調査委員会, 調査研究部, 研究員(移行) (60600377)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 起業家 / 農村志向 / 女性 / 有機農業 / 直売所 / ルーマニア / アントレプルヌース / 隔世継承 |
研究実績の概要 |
最終年度は補助的な国内調査と外国調査を実施した。さらに、過去2年間の成果にもとづき、各自の調査・検討の結果を含む形で学会等の発表や一般誌への寄稿で公表した。本年度の検討内容は以下の通りにまとめることができる。 (1)日本において、農村志向の若手移住者が一定数いることが推測され、地域おこし協力隊への参画等を通じて農村に移住する他、さまざまな形でI・U・Jターンしていた。農山村における持続的な生活を目指す若者が、自身の趣向にあったモデルを見出し創出しながら、より円滑な形で農山村へのアクセスが向上していくことが期待され、ロールモデルとして提示した。 (2)EUのルーマニア・トランシルヴァニア地方において、6年前の調査結果を追跡する形で調査を実施したところ、地域の社会・経済的な状況が変化をしている中、農山村における既存産業(林業、畜産業、その関連産業)は頭打ちとなっていることがわかった。そうした背景を受けて、農山村を志向する移住者が興すツーリズム活動が、地域の問題解決を図る一つの解決策として見いだされつつあることがわかった。しかしながら移住者と住民との良好な関係構築には課題が残っており、今後期待されるツーリズム活動の活発化については、今後の動向を注意深く観察する必要がある。 (3)日本におけるポスト・バブル世代、EUにおけるポスト・コミュニスト世代など、世代間において、ライフスタイルや価値観の相違、世代を超えた文化の継承(隔世継承または隔世承継)などの現象が見られた。それが現在の農村における新たな動向に繋がりうることが示唆され、日本とルーマニアにおいて複数の事例を確認できたが、その汎用性についての検証までには至らず、今後の課題として残された。 なお、本事業から得られた知見の一部は、並行して進めていた研究課題(科研費課題番号16K13146)へと反映されており、引き続きその議論を深めていく予定である。
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