研究課題/領域番号 |
26580149
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
土佐 昌樹 国士舘大学, 21世紀アジア学部, 教授 (10237084)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 多文化主義 / 幸福 / 東アジア / マイノリティ / 比較民族誌 |
研究実績の概要 |
今年度は、上海(8泊)、ソウル(6泊)、台北(14泊)にて現地調査を実施した。上海では復旦大学、社会科学院、上海大学等の研究者を相手に集中的なインタビューを実施し、また国内移民を支援するNGOの代表からも貴重な話を聞くことができた。ソウルでは大学と移民政策研究院の研究者に集中的なインタビューを実施した。また、移住民出身者初の国会議員等にもインタビューをおこない、貴重な証言を得ることができた。台北では、中央研究院を拠点に研究所と大学の専門家を対象に集中的なインタビューを実施した。外国人労働者や結婚移民の支援団体を訪れインタビューを実施した。客家や先住民の関係者からも話を聞き、先住民の学校訪問とインタビューもおこなった。さらに、台湾人と結婚した日本人の団体と彼らの子どもに日本語を教えるボランティア学校も訪問し、マイノリティとしての日本人についての理解を得た。 以上で、予定していた都市における実地調査はすべて完了し、それぞれの都市における多文化主義の実態と幸福との関係について概括的な理解を得ることが実現できた。今後の共同研究に向けたネットワークの構築をほぼ終えることもできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
類似の問題について別の形で考えを進めている専門家が各地にいることがはっきりし、議論が予想以上にはずむという経験を重ねることができ、複数の都市の事例を結び付けながら自分の考えを発展させることが実現できた。国際共同研究についても非常に前向きの姿勢をもつ人が多い事実も確認でき、この研究計画をさらに大規模なものに発展させるたしかな手応えを感じることができた。
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今後の研究の推進方策 |
予定していた都市における予備調査は完了したので、次年度はこれまでの成果をまとめながら、それを基礎に次のステップに向けた準備をおこないたい。とくにソウルと香港には短期訪問をおこない、調査研究のフォローアップと国際共同研究に向けたネットワークの足固めをおこないたい。また、海外調査との比較対象を意識しながら東京の調査研究についても次のステップに向けた準備を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月に実施した台湾調査の一部の経費について、年度末であったため会計処理が間に合わなかった。また、次年度は最終年度に当たり予算も限られており、消耗品や備品等に回す資金を確保する必要もあった。
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次年度使用額の使用計画 |
海外調査のための旅費を確保した上で、残りを書籍代や消耗品等の購入に充てる。
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