研究課題/領域番号 |
26580150
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
牛山 美穂 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (30434236)
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研究分担者 |
新ヶ江 章友 大阪市立大学, 人文社会系研究科, 准教授 (70516682)
照山 絢子 筑波大学, 図書館情報メディア研究科(系), 助教 (10745590)
福井 栄二郎 島根大学, 法文学部, 准教授 (10533284)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 不確実性 / 医療人類学 / 医師 |
研究実績の概要 |
本研究は、医師がどのような不確実性を抱えながら臨床に臨んでいるかを人類学的な調査をもとに明らかにすることを目的としている。研究代表者の牛山はアトピー性皮膚炎治療に携わる医師に、研究分担者の新ヶ江はHIV/エイズの治療に携わる医師に、研究分担者の照山は発達障害の治療に携わる医師に対してインタビュー調査を実施し、それぞれの疾患によって医師の抱える不確実性がどのように異なるのかをクロス分析する。また、研究協力者の吉直は男性の不妊治療の診察現場での参与観察を、吉田は境界性パーソナリティ障害に携わる医師に対して調査を行う。なお、今年度は新たに研究分担者に福井を追加した。福井は、2011年の東日本大震災の際に現場で治療にあたった医師に対してインタビュー調査を行う予定である。 平成27年度は、①文献調査、②医師へのインタビュー調査、③ミーティングを行った。①に関しては、主に人類学の領域における不確実性をめぐる議論について文献収集を行った。②医師へのインタビューに関しては、牛山は医師2名(家庭医1名、研修医1名)に、新ヶ江はHIV/エイズ治療に携わる医師3名に、照山は発達障害の治療に携わる医師1名に対して、それぞれインタビューを行った。③6月に、研究協力者の吉直に男性の不妊治療についての調査の概要を報告していただいた。3月には、医師1名をゲストに招き、全員でそれぞれの調査の経過について報告をし、調査の際に生じた問題点について話し合った。平成28年度前半までさらに調査を進め、後半には調査データをもとに分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査を引き受けてくれるよう医師に依頼をしても拒絶されるケースもあるなど、調査を引き受けてくれる医師を探すのが予想外に困難であったことが理由のひとつにあげられる。しかし、ミーティングのなかで新たにインタビューをさせてもらえそうな医師とのコネクションができたため、調査が進展できる展望が開けた。 また、調査が遅れている理由として、牛山に関しては出産後の育児により外出が制限され、思うようにインタビューができなかったことがあげられる。しかし、平成28年度からは子どもを保育園に預けることができるようになったため、インタビュー調査が遂行しやすくなると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、9月までに一通りのインタビュー調査を終了し、10月以降はデータの分析に取り掛かる予定である。10月と1月にそれぞれの調査データを持ち寄り、メンバー全員で分析ミーティングを開催する。また、3月に最後のミーティングを開催し、成果報告の準備を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
牛山に関しては、2015年2月に出産した後、育児等のため学会発表、インタビュー調査などの外出をともなう用件が遂行しにくくなり、その分の予算を使用することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年には、研究分担者として福井が、研究協力者として吉直が参加したため、この二人の調査費用を支出する必要がある。また、2016年度には研究協力者の吉田も調査を予定しており、インタビューデータのテープ起こしの費用を支出する予定である。
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