研究課題/領域番号 |
26590001
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小佐井 良太 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (20432841)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 法社会学 / 飲酒運転 / 再犯防止 / 条例 / アルコール問題 / 更生支援 / 被害者支援 / 交通教育 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究課題の初年度として、主に以下の研究に取り組み、一定の成果を上げることができた。 【前期:2014年8月末まで】在外研究中のオーストラリア・NSW州における飲酒運転事故の実態と施策の実効性に関する調査研究。各種文献資料の収集・分析と併せて、メルボルン大学、マコーリー大学等で研究成果を踏まえ、飲酒運転根絶施策の日豪比較に関する序論的研究報告を行った。また、NSW州シドニー市内での飲酒運転等交通違反者に対する再犯防止プログラムを視察し、同種プログラムの日本における実施について有益な示唆を得た。 【後期:2014年9月以降】福岡保護観察所にて毎月一回開催される「飲酒運転根絶プロジェクト会議」に出席、飲酒運転根絶に取り組む福岡県内の関係者(保護観察所職員、保護司、弁護士、アルコール専門治療に携わる医療関係者、アルコール飲料販売企業関係者、代行運転企業関係者、飲酒運転死亡事件被害者遺族、等)とともに、福岡県下における飲酒運転根絶施策の検討に取り組んだ。 これらの研究実践を踏まえた研究成果の具体的な社会還元として、1)福岡県議会・第2回「飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例」見直し検討会議(2014年10月17日)での福岡県条例の内容見直しに関する意見提言、2)スローライフ交通教育の会主催シンポジウム(2015年1月24日)での報告、3)福岡保護観察所主催「第64回社会を明るくする運動・第4回飲酒運転根絶県民フォーラム」(2015年1月30日)でのトークセッション発言、4)日本法社会学会・関西研究支部研究会(2015年3月1日)での研究報告、等を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に示した通り、本研究課題は、初年度の取組みとして一定の成果を収めた一方、計画当初に予定していた、各地の保護観察所並びに交通刑務所における飲酒運転事犯の再犯防止に向けた取り組みについて、十分な調査を行うことができなかった。これは主として、初年度前期の期間中、国外(オーストラリア)において在外研究を行っていた関係から、帰国後の半年の間に、国内での調査研究を十分に行うための時間的余裕がなかったことによるものである。この点は、2年目ないし3年目の年度において、補完的に調査研究に取り組むことで、十分に当初の研究計画の遂行が可能である。 他方、上記オーストラリアでの在外研究による研究成果や帰国後の研究成果の社会還元に関する活動等も含めて、トータルな視点から評価すれば、本研究課題はおおむね順調に進展していると評価することができる。
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今後の研究の推進方策 |
一方で、当初の研究計画に従い着実に研究を進めつつ、他方では初年度(平成26年度)中には十分に行えなかった調査研究(保護観察所、交通刑務所における飲酒運転事犯の再犯防止に関する調査研究)を進展させるべく努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の使用金額端数として、やむを得ず生じたもの(金額:100円以下)である。
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次年度使用額の使用計画 |
100円以下と少額であるが、次年度において適切な使用に努める。
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