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2014 年度 実施状況報告書

市町村災害対策法制度の政治経済学的分析

研究課題

研究課題/領域番号 26590005
研究機関三重大学

研究代表者

前田 定孝  三重大学, 人文学部, 准教授 (10447857)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード災害法 / 危機管理 / 非常事態法制
研究実績の概要

昨年度は、5月に雲仙普賢岳の噴火災害に関連する調査を、長崎県島原市(市長公室長および元市議会議員)において実施し、その後この2月には、三重県南部地域(尾鷲市、紀北町、大紀町、および南伊勢町)の自治体災害対策の状況調査を実施した。
そのなかで、島原市では、避難所の設置、仮設住宅の使用期限の延長、住宅再建支援など、その後奥尻島津波、阪神淡路大震災、中越地震、そして東日本大震災へとつながる災害対策における主要論点が、「21分野1000項目の被災者救済対策」としてすでに示されていたことが明らかになった。
またこの2月の、とりわけ南伊勢町の調査においては、この間の災害対策基本法改正においても強調された、市町村のさらに細かい単位における地区防災計画のひとつのあり方が、すでに自治体独自のとりくみとして、集落ごとの「地区防災対策行動計画」として、町内数十箇所にのぼる各集落ごとに策定されていること、およびそのとりくみについての調査を実施した。そのなかで、南伊勢町では、その計画策定のために、各地区に3人から4人程度配置されている町職員である地区支援員が、みずからの担当地区ごとに、「地区災害マニュアル作成の手引き」を片手に住民の話し合いを組織化しつつ、そこで話しあわれたことをその地区支援員である職員が文書化するなかで、かたちになっていったものであることが明らかになった。
これら市町村内の集落からの目線を通じて、自治体の災害行政のそもそもの発端が示唆されるとともに、その後の地域住民を主体とした自治体の災害対策行政のあり方についても寄与できたものと考える。
これらの調査結果は、東海自治体問題研究所における「所報」を通じて公表するとともに、現在、今年6月7日の日本科学者会議災害問題研究委員会主催の「災害問題研究討論会」で報告する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

海外調査の日程化作業の遅れがあった。なお、別の研究プロジェクトによって、アメリカのニューヨーク、ニューオリンズ、およびワシントンDCの調査を実施したこともあり、日程的な困難さもあった。

今後の研究の推進方策

この6月、広島市安佐南区の調査を実施するとともに、夏から秋にかけて、ワシントン州~カリフォルニア州にかけて、海外調査を実施する予定である。
また、上記国内調査のまとめを『法経論叢』に掲載するとともに、アメリカの制度の研究として、連邦緊急事態管理庁を中心とする連邦政府とアメリカの各州および各自治体の連携についての論文を発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

書籍等の購入および出張経費につき、予想していたものよりも低くなったこと、および出張につき、別プロジェクト等の企画・実施のために余力がなくなったため。

次年度使用額の使用計画

書籍等の購入

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 日本災害法研究史(下)2014

    • 著者名/発表者名
      前田定孝
    • 雑誌名

      三重大学法経論叢

      巻: 32 ページ: 37-52

  • [学会発表] アメリカにおける災害・危機管理行政――アメリカ連邦緊急事態管理庁の分析を中心に2015

    • 著者名/発表者名
      前田定孝
    • 学会等名
      民主主義科学者協会法律部会
    • 発表場所
      夢海游淡路島
    • 年月日
      2015-03-31

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公開日: 2016-05-27  

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