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2015 年度 実績報告書

国連人権理事会における「人権の主流化」の到達点と限界-政府間主義の機能

研究課題

研究課題/領域番号 26590006
研究機関名古屋大学

研究代表者

小畑 郁  名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40194617)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード国際人権 / 国籍法 / 国際組織法 / 人権の主流化 / 政府間主義
研究実績の概要

人権の主流化と政府間主義の台頭という一見矛盾する動向を、構造的に把握するため、本研究では、まず、国連人権理事会の状況について、客観的に把握することにつとめた。
国連人権理事会では、国別の特別手続の利用は減少したが、テーマ別手続は逆にインフレ状態に陥り、現在マンデートの数は41にまで達している。こうしたテーマ別の議論は、会合を年10週間にまで増加させたにもかかわらず、現に議題を圧迫するに至っている。マンデートの受任者は、個人資格の専門家であるため、一方で、専門性の厚い層が形成されてはいるが、政府代表で構成される本会議における具体的成果との結合関係は薄い。とりわけ、こうした動向を背景にして、人権理事会のなかでの改革の動きもあるが、いまだ具体的提案にまでは至っていない。政府間主義の本領が発揮されるべき普遍的定期審査においては、これに投じられる資源や時間と比例した成果はみられていないが、とくに受任者の訪問受入や国連人権条約への参加について、勧告に盛り込まれ、前進が観察できる。
他方で、個人専門家集団が自律的に活動を展開することについては、条約機関を例外として、厳しい監視と警戒の対象となっていることは、諮問委員会に対する対応において明かである。この委員会は、理事会に認められたトピックのみを審議するが、授権されるトピックの数は少なく、情報源もアンケート調査に限定されており、報告に対するリアクションも乏しい。
このように、個人専門家(集団)と政府との間の非生産的な対立はほとんど見られなくなったことは、政府間主義の成果ともいえるが、専門性というリソースの利用ははかばかしくなく、人権の主流化を促進する効果が具体的にみられているとはいえない。しかし、ほとんど評価されていない普遍的定期審査においても、前進がみられており、今後の慎重に観察する必要がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち謝辞記載あり 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] グローバル化のなかの「国際人権」と「国内人権」――その異なる淵源と近年の収斂現象・緊張関係2016

    • 著者名/発表者名
      小畑 郁
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 88(4) ページ: 89-91

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] グローバル化のなかの東アジア地域憲法秩序化への課題と展望2016

    • 著者名/発表者名
      小畑 郁
    • 雑誌名

      Asian Law Bulletin

      巻: 1 ページ: 1-14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Preliminary Draft Report on Possible Thematic Gap with the Human Rights Council2016

    • 著者名/発表者名
      Kaoru OBATA
    • 雑誌名

      Unpublished paper for the meeting of the Human Rights Council Advisory Committee

      巻: 1 ページ: 1-9

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] The Formation of the ASEAN Economic Community and Challenges for Legal Assistance; An Introduction2016

    • 著者名/発表者名
      Kaoru OBATA
    • 学会等名
      アジア法交流館落成記念・国際シンポジウム「アジア-日本『法協力』の新時代――教育と研究の交錯と発展」
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2016-03-12 – 2016-03-12
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 国連人権理事会の状況-諮問委員会の観点から2015

    • 著者名/発表者名
      小畑 郁
    • 学会等名
      国際人権法学会
    • 発表場所
      大阪産業大学
    • 年月日
      2015-11-22 – 2015-11-25
    • 招待講演
  • [学会発表] The UN Human Rights Council (HRC) from East Asian Perspective2015

    • 著者名/発表者名
      Kaoru OBATA
    • 学会等名
      Special Lecture for the Faculty of Law, University of Valencia
    • 発表場所
      University of Valencia
    • 年月日
      2015-06-25 – 2015-06-25
    • 国際学会
  • [図書] グローバル化と公法・私法関係の再編2015

    • 著者名/発表者名
      浅野有紀、小畑郁ほか
    • 総ページ数
      370(分担箇所129-145頁)
    • 出版者
      弘文堂

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公開日: 2017-01-06  

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