各国を規律する法は、情報化が進んだ結果、以前とは比べものにならない程、容易に知ることができるようになった。その結果、フォーラムショッピングの日常化現象が生じている。そこに作出されているのは、法実務家によって、資本に奉仕するべく作られた規範空間である。そこでは、各国の民法上のルールは、公序良俗に関するルール(例、代理母契約の禁止)も含めて空洞化してしまう危険性がある。このような事態に対処するため、国際公序の観念が徐々に承認されつつあり、たとえば投資仲裁においても種々の民法概念が用いられている。規範空間においては、デバイスとしての民法の汎用性がその制御に一役買っている。
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