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2014 年度 実施状況報告書

知的創作物の創出における「コミュニティ」と、そこでの「慣習」や「規範」の役割

研究課題

研究課題/領域番号 26590013
研究機関九州大学

研究代表者

小島 立  九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (00323626)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード知的創作物 / コミュニティ / 慣習 / 規範 / コモンズ
研究実績の概要

平成26年度は、「マス・カスタマイゼーション」の時代を迎えた知的創作物の創出における「コミュニティ」の役割について、「オープンソース」、「クリエイティブ・コモンズ」、「オープンデザイン」、「ユーザーイノベーション」などを素材に検討を行った。それらの一連の新しい動きは、広く社会からの「参加」と「共創」が行われる新しい「ものづくり」の考え方を伴っている。
検討の結果、そこで問題となっているコミュニティの慣習や規範のあり方が、アクター間のリソースのやり取りのあり方(いわゆる「資源管理」)に影響を与えており、その資源管理がなされる際の法的規律に影響を与える可能性が高いのではないか、ということが明らかになった。例えばユーザーイノベーションにおいては、いわゆる「リードユーザー」との協働によって、これまで主に企業が負担してきた研究開発コストについて、企業としてそれを減らすとともに、ユーザーから研究開発のリソースを調達できる可能性を秘めているという点は、資源管理の観点から注目に値する。
本年度の研究を通して、それらの活動がなされるコミュニティにおける慣習や規範の生成プロセスに着目するとともに、それらの慣習や規範が知的財産法などの国家法といかなる相互補完関係あるいは矛盾抵触関係にあるのか、そして、いかなる場合にこれらの慣習や規範の適用が認められるべきなのか、といった理論的課題について考察する必要性が増している、ということを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「マス・カスタマイゼーション」時代の知的創作物の創出や媒介に関係する「コミュニティ」について、平成26年度に公表には至っていないものの、当該研究テーマに関連する論稿2本が脱稿され、平成27年度前半に出版されることが確定している。また、平成27年度に主に検討する予定である「地域コミュニティ」の研究についても、実施に向けた見通しが立っている。

今後の研究の推進方策

平成27年度については、知的創作物の創出に関する「地域コミュニティ」のあり方について、伝統的祭祀、「フォークロア」、伝統芸能などの「伝統的文化表現」や、「現代アート」などを素材に検討する予定である。伝統的文化表現や現代アートなどの文化的表現に関係する様々なアクターの配置や相互関係についての分析を通じて、それら「地域コミュニティ」の「慣習」や「規範」のあり方について検討し、当該コミュニティの持続可能性を維持できるような形での制度的支援の可能性について検討する。研究を進める際には、伝統的文化表現や現代アートなどの様々な文化的表現についての現状を把握するべく、国内外における実態調査を行うつもりである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] "Doujin Mark" as an Example of Alternative Licensing Scheme2014

    • 著者名/発表者名
      Ryu Kojima
    • 学会等名
      International Academy of Comparative Law
    • 発表場所
      ウィーン大学法学部(オーストリア、ウィーン)
    • 年月日
      2014-07-24

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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