研究課題/領域番号 |
26590019
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加茂 具樹 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (30365499)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 権威主義国家 / 中国共産党 / 中国の民主的な制度 / 人民代表大会 / 中国人民政治協商会議 |
研究実績の概要 |
「なぜ権威主義国家中国の政治体制は安定しているのか」。本研究は、この問いに答えるための手掛かりの一つを、中国の民主制度の政治的役割に見出そうとするものである。権威主義国家の議会や選挙といった民主制度に関する先行研究は、民主制度が支配者と反対勢力の政治的取引を行う場として機能することで、体制の安定の維持に貢献してきたと説明している。
しかし中国政治研究は、その政治的役割を十分に解明してきたとはいえない。そもそも中国の民主制度である人民代表大会や中国政治協商会議が政治学的な問題意識から注目されたのは最近のことである。加えてそれは制度改革や活動の実態を個別に研究したにすぎない。
平成26年度の本研究は、中国共産党と人民代表大会と中国政治協商会議の政治的機能が「連携」しているという概念を提起し、その妥当性についての検証(実証的研究の展開と研究者との意見交換)をおこなってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「共演」という概念を用いて執筆した研究論文が中国共産党中央編譯局が刊行している『海外中国研究報告2014年』に掲載された。また研究代表者が2012年に執筆し"Journal of Chinese Political Science"誌に掲載された研究論文(本研究の基礎的研究としての位置付け)が、"Comparative Political Studies"誌に掲載された論文"''Good Types'' in Authoritarian Elections: The Selectoral Connection in Chinese Local Congresses"に引用されるなど、本研究プロジェクトの活動が国際的な展開を示している。
また中国におけるいくつかの地方の人民代表大会や中国人民政治協商会議における現地調査を実施するための布石を打つことができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、海外の研究者との研究交流を深めると共に、中国のいくつかの地方人民代表大会や中国人民政治協商会議における現地調査を進めてゆく。
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