動的(投票側の電子化)電子投票制度導入に於ける諸問題とコスト可視評価を目的に、最終年度はおよそ計画通りの検討を行った。本年度前半は「二:各選挙に於ける税金歳出及び人件費・労働時間・労働条件など全数調査及び見える化」について「一:過去5年以降5年間内に日本全国で行われる一般選挙(国政地方含む)全数調査」ベースに検討を行った。学術面に於いては、この「一:過去5年以降5年間内に日本全国で行われる一般選挙(国政地方含む)全数調査」をまとめた内容を「ランニングを考慮した日本国全議員選挙データベース構築考察」と題して日本選挙学会2016年度総会・研究会にて発表を行い、その後データベースの雛形をWEBにて会員制で公開した。 後半では「六:電子投票法や国民総背番号制、公務員制度などの法制度・政策の整理・提案」、「七:導入・ランニングコスト可視化と機会費用産出」、「八:模擬導入による若者層意識調査と注意項目箇条化」、「九:電子選挙導入実現性考察とロードマップ提案」について検討を進めた。「四:電子選挙先進国エストニアに於ける現地調査、結果考察・報告等」に於ける現地調査で二年目に行った結果をフィードバックすることで当初想定していた「八:模擬導入による若者層意識調査と注意項目箇条化」、「九:電子選挙導入実現性考察とロードマップ提案」の検討が大いに上方修正することが可能となったことは喜ばしい産物であった。 年度末には電子選挙先進国エストニアで導入されているmobile IDを想定した模擬システムを構築し、実際に大学生数十名にて実施検証を行った。導入・ランニングコスト可視化と機会費用算出をまとめ、電子選挙導入実現性考察とロードマップ提案を行ったものの国際会議への発表、及び自治体との協力体制が整えばと予定していた中規模検証は可能であれば行う考えであったが時間の都合上今後の検討課題としたい。
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