本プロジェクトでは、時価会計制度に注目し、理論と実験から研究を行った。理論研究では、金融市場の流動性ショックが時価会計制度により拡大し、特に流動性ショックに備えていた銀行にも波及し、経営破綻に追い込まれることを示した。 実験研究では、会計情報の開示とその認識の違い、および被験者の将来期待と行動の影響を検証する実験を行った。その結果、(1)多くの情報を保有している被験者が必ずしも高い利得を得るとは限らない、(2)高い利得を得ている被験者は、情報の優位性を利用し、戦略的な行動計画を容易に、また的確に行動をしていることが示された。
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