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2016 年度 実績報告書

実労働実験を用いた自発的再分配選好の計測

研究課題

研究課題/領域番号 26590028
研究機関大阪大学

研究代表者

大竹 文雄  大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50176913)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード純粋な利他性 / ウォームグロー / バーンアウト / 長時間労働 / 平等主義 / 後回し行動
研究実績の概要

自発的再分配行動の特性を把握するために、一般の対象者と看護師の対象者についてウェブ・アンケート調査を行った。具体的には、他人の効用水準が自分の効用関数に直接含まれる「純粋な利他性」、支援行為自体が効用の上昇に繋がる「ウォーム・グロー」と利他性をもたない人を識別できる質問を行った。恵まれない子供に寄付をするか否かという寄付額が、自分の寄付額が直接相手に渡る場合と、その2倍が相手に渡る場合で、寄付額を変更させるか否かで、二つの利他性を識別できる。一般に、看護師は利他的な特性をもっている方が職業的に適していると考えられてきた。一方で、患者の死や症状の悪化に直面する場面において、純粋な利他性をもった看護師は、患者の状況に応じて自らの効用が大きく変動する可能性がある。その場合、大きな精神的疲労をもたらし、心理的バーンアウトをもたらす可能性がある。看護師は、一般の人に比べて純粋な利他性をもつものが多くウォームグローをもつものが少ない。分析の結果、純粋に利他的な看護師とウォーム・グローを持つ看護師は、どちらの利他性も持たない看護師に比べて、バーンアウト指標のうち情緒的消耗感が高いこと、精神安定剤・抗うつ剤や睡眠薬を常用する可能性が高いことが示された。特に、純粋に利他的な看護師かは情緒的消耗感の観点からバーンアウトしやすいという結果は、統計的に安定的に得られた。
また、所得分配の選好や後回し行動などの行動経済学的特性と、長時間労働の関係を消費財メーカーの従業員の労働時間データとアンケート調査によって分析した。その結果、平等を選好する人と後回し行動をとる人は長時間労働をする可能性が高いことを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 財政学への行動経済学的アプローチ2016

    • 著者名/発表者名
      大竹文雄
    • 雑誌名

      財政研究

      巻: 12巻 ページ: 70-80

  • [学会発表] 看護師の利他性と燃え尽き症候群2016

    • 著者名/発表者名
      佐々木周作
    • 学会等名
      行動経済学会第10回記念大会
    • 発表場所
      一橋大学(東京都国立市)
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-04
  • [学会発表] 残業時間と行動経済学的パラメータを中心とした個人特性の関係2016

    • 著者名/発表者名
      黒川博文
    • 学会等名
      行動経済学会第10回記念大会
    • 発表場所
      一橋大学(東京都国立市)
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-04
  • [備考] 大竹文雄のページ

    • URL

      http://www.iser.osaka-u.ac.jp/~ohtake/

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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