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2014 年度 実施状況報告書

デジタル資源を活用したA・スミス経済思想の多元的学際的構造分析の新たな試み

研究課題

研究課題/領域番号 26590031
研究機関東京大学

研究代表者

小野塚 知二  東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (40194609)

研究分担者 福田 名津子  一橋大学, 附属図書館, 助手 (30456305)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードデジタルヒューマニティーズ / スミス経済学 / アダム・スミス文庫 / スコットランド啓蒙 / 知の構造化 / 経済学史 / 社会思想史 / 書誌学
研究実績の概要

研究初年度にあたる平成26年度は、研究のための基盤整備作業と基礎的情報の収集をメインに研究活動を行った。
本研究班では、①基礎文献研究班(スミス文庫およびその書入内容の精査)、②応用文献研究班(スミスの思想形成の究明)、③構造研究班(書誌学的・古文書学的解析と情報発信の研究)の三班で研究を行い、全体としては3回の研究集会の中で研究発表を行い、メンバー内で進捗状況を確認し、情報共有に努めた。
①基礎文献研究班では、東大所蔵のアダム・スミス文庫314冊について、その82%にあたる259冊の書入の有無と種類を精査した。②応用文献研究班では、同文庫に含まれる1781年版の手稿目録をテキスト化し、内容の校訂に着手した。③構造研究班では、スミス文庫の書誌記述の素案について検討を進めるとともに、これまでにアダム・スミスの旧蔵書を活用して研究をしてきた研究者や、アダム・スミス旧蔵書のカタログ作成に取り組んだ経験のある研究者から聞き取りを行い、社会思想史研究における経済学者の旧蔵書のもつ意義や、デジタルアーカイブの可能性、研究者にとって使いやすいアーカイブシステムの仕様などについて知見を深めた。
また、8月25日には、東京大学大学院経済学研究科小島ホールを会場として、公開ワークショップ「デジタル・ヒューマニティーの最前線と経済学史研究」を開催し、Professor Philip Schofield, Dr Tim Causer, Dr Kris Grint(Bentham Project, University College Lon-don)を招き、海外における同種プロジェクトであるベンサムプロジェクトについて紹介するとともに、本研究の学術的意義を社会一般に周知するよう試みた。このワークショップについては、『東京大学経済学部資料室年報』5号(2015.3)において、内容を詳しく採り上げている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画で列挙したもののうち、東京大学経済学部アダム・スミス文庫の書き入れ調査については、全体の20%程度が未検討であり、これにともなって、書誌記述のフォーマットについても、研究メンバー内で最終的な合意に達せず、またアダム・スミム文庫の一部電子化も当初計画通りできなかったため。
なお遅延が生じた理由は、アダム・スミス文庫が東京大学経済学図書館の貴重図書指定されており、かつ製本の劣化が進んでいることにより、取り扱いに細心の注意を要するので、予想以上に時間がかっているからである。

今後の研究の推進方策

少々遅れているアダム・スミス文庫の書入の精査を急ぐとともに、スミス旧蔵書に具体的に即した、目録記載事項とその上での問題点の検討を当面の第一目標とする。

次年度使用額が生じた理由

当初計画で予定していたアダム・スミス文庫の重要部分の電子化について、研究の進捗状況から判断して次年度以降に延期せざるを得なかったため。

次年度使用額の使用計画

アダム・スミス文庫の電子化について、ハード・ソフトの両面から検討を加え、公開インターフェイスの設計やデジタル撮影、さらに情報収集のための調査旅費に充当する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 田中秀夫編著『野蛮と啓蒙』(2014)を読む:我々はどちらの世界に住んでいるのだろうか2015

    • 著者名/発表者名
      有江大介
    • 雑誌名

      経済論集

      巻: 64 ページ: 107-124

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] アダム・ファーガスンの商業的アート概念:The Making of the Modern World を用いて2014

    • 著者名/発表者名
      福田名津子
    • 雑誌名

      一橋大学附属図書館研究開発室年報

      巻: 2 ページ: 19-37

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Tracing Adam Smith's Thinking2014

    • 著者名/発表者名
      野原慎司
    • 学会等名
      International society for the eighteenth century studies
    • 発表場所
      Manchester(United Kingdom)
    • 年月日
      2014-09-08 – 2014-09-12
  • [学会発表] The Rise and Decline of the ‘Confucian Capitalist Thesis’、The XIII Conference of the International Society for the Utilitarian Studies2014

    • 著者名/発表者名
      有江大介
    • 学会等名
      第13回国際功利主義学会
    • 発表場所
      横浜国立大学(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2014-08-20 – 2014-08-22
  • [学会発表] Liberty and inequality in Adam Smith2014

    • 著者名/発表者名
      野原慎司
    • 学会等名
      The European Society for the history of economic thought
    • 発表場所
      Lausanne(Swiss)
    • 年月日
      2014-05-29 – 2014-05-30
  • [図書] ジェレミー・ベンサムの挑戦2015

    • 著者名/発表者名
      有江大介ほか
    • 総ページ数
      395
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2016-05-27  

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