研究課題/領域番号 |
26590035
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柏木 健一 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00447236)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 産業発展 / 産業育成 / ミクロ経済分析 / 生産性分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、2006年に日本政府が「平和と繁栄の回廊」創設構想によるイスラエルとパレスティナの和平交渉への貢献を提唱し、ヨルダン渓谷における農産業団地の設置と物流の促進を推進する中、同回廊地帯において雇用創出の鍵となるオリーブ産業の発展メカニズムをミクロレベルで実態的に解明するものである。具体的には、ヨルダン川東岸(ヨルダン)およびヨルダン川西岸(パレスティナ)において、オリーブ農家とオリーブ油精油工場を対象にミクロ経済調査を行い、オリーブ農家と精油工場の生産性・技術効率・技術進歩に関する実証分析・地域比較分析を行うことで、ヨルダン川東岸・西岸におけるオリーブ産業の競争力強化と雇用創出のメカニズムを検証し、平和と繁栄の回廊創設構想の実現に向けた産業育成研究を展開することを目的とする。 2015年度においては、ミクロデータ及びマクロデータを用いて、ヨルダン川西岸のオリーブ農家とオリーブ精油工場の生産性と効率性を分析した。また、その成果の一部を2016年2月に、日本・チュニジア科学技術学術会議(TJASSST)において発表した。2016年3月に、ヨルダン川西岸北部のオリーブ農家と精油工場を訪問し、聞き取りを中心とした現地調査を行った。また、パレスティナ統計局、パレスティナ水利協会、パレスティナ農業協同組合等を訪問し、追跡調査の計画について協議した。同時に、パレスティナ自治政府農業省によるオリーブ産業調査やパレスティナ統計局によるミクロ統計(農家家計調査やオリーブ油精油工場調査)を入手した。今後は、西岸地区のオリーブ農家において追跡調査を行い、パネルデータを構築する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヨルダン川西岸地区ジェニン県におけるオリーブ農家調査の結果(クロスセクションデータ)を分析し、その成果の一部をシンポジウムにて報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
ヨルダン川西岸地区ジェニン県において、オリーブ農家の追跡調査を実施し、パネルデータを構築する。また、オリーブ製油工場調査については、統計局より工場調査のミクロデータを入手し、生産性を分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度秋にヨルダン川西岸地区の治安情勢が悪化し、当該年度の調査を見送ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度の残額とあわせて、2016年度にヨルダン川西岸地区ジェニン県のオリーブ農家の追跡調査を実施する。
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