仮想の排出権取引市場を作り、そこで罰金や違反者名の公開等の罰則を設定し、それらが市場参加者のルール順守行動にどのような影響を与えるかを経済実験の手法を用いて検証した。計12回の経済実験を実施した。たとえ少額であっても罰金が最もコンプライアンスを高めることが確認され、次いで金銭的な影響はないものの違反者名を公表することも違反抑制に有用であることが確認された。一方で、間接的な情報となる違反者IDの公表は、違反を抑制することができたものの、大きな違反をする参加者を増加させるという、違反誘発効果があることも確認された。そのため、違反抑制として名前等の情報公開を用いることは注意が必要となる。
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