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2014 年度 実施状況報告書

政治経済学実験の新たな方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26590044
研究機関高知工科大学

研究代表者

肥前 洋一  高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (10344459)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード政治経済学 / 実験 / 投票
研究実績の概要

本年度は、新しい政治経済学の実験の方法を見出すため、「政治的意思決定とは何か、経済的意思決定とは何が同じで何が異なるのか」を検討した。たとえ政治制度のもとでの意思決定を題材として取り上げても、意思決定の結果をすべて金銭的報酬に置き換えて実験をデザインするという実験経済学の方法にのっとるなら、それは多くの政治学者が想定する政治的意思決定の状況とは異なってしまい、政治学者の関心を失うのではないかと考えられる。たとえば、選挙で投票に行くことからこうむる費用は、モノを買うときのように即座に金銭を支払わされるという形ではなく、投票所に足を運ぶのが面倒だったり(労力としての費用)他のことをする時間を奪われたり(機会費用と呼ばれる)どの候補者に投票したらよいのかを見極めるのが面倒だったり(認知に伴う費用)するという形で発生する。
このことをふまえて、投票に行くか否かの意思決定において、投票の費用を上の3つの費用として表現し、それぞれの費用が投票するか棄権するかの意思決定に与える影響の大きさを測定する実験のデザインを開始した。どの種類の費用が重要かが明らかにされれば、投票率を高めようとする際により効果的な政策を特定することができる。これは、上の3つの費用をひとまとめにして「投票へ行くなら報酬から○○円が差し引かれる」という形で投票の費用を表現する従来の実験経済学流の実験からは得ることのできない知見である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験の一般的な方法論を検討するだけでなく、実験の具体的なデザインを見出すことができたため。

今後の研究の推進方策

本年度に開始することができた実験のデザインの詳細を詰めていく。新しい実験の方法について、これまでにすでに政治学者、心理学者、社会学者、経済学者と議論してきたが、引き続き議論することによって、現在進めている実験のデザインがさまざまな学術分野の視点からはどのように評価されるかを検討し、デザインの詳細に反映させたい。デザインが完成したら、実験の準備・実施・データ分析・論文作成と進めていく。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度3月の出張旅費を、当初の予定より少なくすることができたため。

次年度使用額の使用計画

次年度の旅費の一部として使用する。

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公開日: 2016-05-27  

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