原告が被告から受ける被害に対する救済を法的に争う状況では、差止めのような所有権ルールと損害賠償ルールのいずれの救済方法が妥当であるかが問題となる。この「法と経済学」における基幹的な研究トピックに関して、本研究は進化論ゲームを応用することによって、長期的な視点からどのようなルール選択が法による社会システムの安定に寄与するかを考察した。これと関連して、実定法と社会規範との間の効率的な選択手法の研究、国家と市民社会との制度的役割分担の問題の考察を行い、研究論文を公刊した。また、これらの課題全体を、ロースクールの学生向けに統一的、体系的に説明するための教科書を完成した。
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