研究実績の概要 |
人的資本と賃金の差異については、これまで、賃金や人的資本を表す関数系が半対数型であるために、企業単位で集計すると、無数の非線形項が生じて、有効な計量分析が行えないという問題があり、労働経済学の発展の生涯となっていた。これに対し、本研究では 、半対数型の賃金関数を、標準的な生産関数に導入する数式処理を発展させたことで、人的資本関数と生産関数を容易に一体化させる画期的な処理を目指すものである。 Hellerstein et al. (1999), Crepon et al. (2002), Ilmakunnas et al. (2004)らは、労働者グループ間の相対生産性を計測したが、依然として賃金と生産性のギャップは測定不可能である。 29年度は、生産性関数と賃金関数のそれぞれの企業*年レベルの誤差項が相関する可能性を考慮に入れて再検証を行い、本方法による賃金・生産性ギャップの測定の成果を得た。
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