本研究においては、コーポレートファイナンス(企業金融)とコーポレートガバナンス(企業統治)を、新たなパラダイム(ステークホルダー型モデル)の観点から経済学的に分析を行った。その理論的分析、実験研究、実証分析の成果と含意は次の3つにまとめられる。(1)株式市場が非効率的な場合にはステークホルダー型モデルの視点は研究上重要な意味をもつ。(2)株式市場は投資期間の短期化等の要因でしばしば非効率的となる。(3)ステークホルダー型モデルは、企業のファイナンス・ガバナンスに関してこれまでとは異なった新たな見方を提供する。
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