20世紀におけるアジア地域の発展をミクロレベルで解明・把握するため,本研究では,両大戦間期から戦時期までのオランダ領東インドにおける日本企業の進出・定着過程を一次資料から検討する。本研究は,従来の統計資料や外交資料に基づく検討ではなく,海外に所蔵されている戦前期日本企業アーカイブの資料を利用して,具体的な企業・産業レベルの分析から,その変化を辿った。特に「環太平洋」という視点から,オランダ領東インドを取り巻く欧州―日本―中国―豪州―米国が,産業・貿易の各側面で相互にどのような関係(支配・従属・依存・補完)を構築していたのか,複眼的な視点から研究をまとめた。
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